2012年6月24日日曜日

日本麻フェスティバルandフォーラムin栃木6/23

今日は、かねてより『日本麻フェスティバルandフォーラムin栃木』6/23・24が、鹿沼市で開催されることから、訪ねました。これは、私の尊敬する麻の生産農家でもあり、そして下野・会津・津軽 手仕事専科の3工房即ち野州麻紙工房(大森芳紀・淳子)、野州大麻麻の葉工房の主でもある大森由久さんが協会長をつとめる「日本麻振興会」が、主催するものです。

私の麻との出会いは、栃木県立博物館元学芸部長であった尾島利雄氏や柏村祐司氏との関係からでした。下野の伝統的な産業であり、その生産者としてまた、その麻から麻紙を作られていることから、野州麻紙工房に大森芳紀・淳子さんを訪ねたのが始まりです。

大森さんの作られる野州大麻・小麻は、すばらしい理念に基づいて復元された大麻(大幣)です。林博章先生の資料に見るように麻の生産がかつての1/10にも減っています。強度や扱い安さの点で勝れた現代的な製品に取って代わられてしまいました。それは、必然でもありますが、現代に自然循環型の製品として、さいど見直すことが出来るのではないかと思います。また、最も重要なのは、麻は、その精神性の現れでもあるということです。

大嘗祭と麁服(だいじょうさいとあらたえ)神事として、天皇家に代々つづく儀式のもとになるのが、大麻であり、大麻から作られる麁服(あらたえ)という被服であり、その秘儀は、天皇家に代々伝わるものです。天皇家は、国家の安寧を願う神主であり、その神事に麻(=大幣・大麻)は、欠かせないものです。麻は、日本の古来からの精神性をささえる穢れを祓う具であることが、その歴史から辿ることが出来ます。

今回の基調講演のお二人は、歴史研究家の林博章氏と国重文化財三木家第28代当主三木信夫氏ですが、ひじょうに格調高い天皇家と麻と穀をつかさどる阿波忌部氏の史実が述べられました。麻と穀の技術が四国徳島県の阿波をスタートにこの下野の粟野町に伝えられていることや、大嘗祭の神事にまつわる麁服の儀式とそれが、南北朝の光明天皇を最後に560年もの間途絶えて、大正天皇の大嘗祭に復活しています。三木家は、阿波忌部氏であり、阿波忌部氏の中心的な家柄です。

歴史家にとっては、必見の講演でした。麻と土偶の紹介をしている私には、優れて納得のゆくお話でした。
日本麻振興会会長
大森由久氏
林博章氏
三木家第28代当主
三木信夫氏
「下野・会津・津軽の歴史街道」はショッピング>日本の民芸/「下野・会津・津軽 手仕事専科」のブログです。
株式会社とぴい企画
080-5089-9227  topykikaku@ybb.ne.jp
下野・会津・津軽の四季風景 ■手仕事専科のブログ ■和美との生活・和美空間 ■伝統食品のブログ

0 件のコメント:

コメントを投稿